5年ほど前に書いた『ソーシャルメディアマーケティング』(P.77)の中で提唱した Fast Marketing(ファストマーケティング)という概念がある。

この概念を通じて、「いまを敏速に捉え、それを敏速に体現するマーケティング」がこれからますます必要になること、そして①情報の鮮度 ②計画・実行・評価・改善のサイクルスピード ③判断・意思決定のスピードの重要性を説いた。手元で寝かせすぎず、早めに世に出し、ユーザーの声をもとにどんどん改善していく方が成果をあげやすいというスタンスだ。

最近では、アメリカQualaroo社CEOショーン・エリス氏が提唱したグロースハッカーという職種が元となって生まれた「グロースハック」という言葉が注目されるようになった。これは、製品やサービスを利用するユーザー動向データから取得した数値やフィードバックなどを解析することで、製品・サービス自体の改善を迅速に繰り返してマーケティングの課題を解決する手法を指すが、ファストマーケティングとニュアンスが近い。

あれから5年間を経たいま、「改善を敏速に繰り返し、成果をあげるマーケティング」の有効性がよりいっそう高まっていることを感じている。

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